M&Aの“価格・条件・スキーム”を売り手目線でチェックするセカンドオピニオンの実際

M&Aの売却交渉で割と多い後悔は「条件の認識が甘く、不利なまま取引をしてしまった」というものです。
そしてその多くは、第三者のセカンドオピニオンを入れていれば回避できたかもしれません。
売り手企業が不利になりやすい「価格・条件・スキーム」を、専門家がどのようにチェックし改善するのかを具体的に解説します。
売り手が抱える“M&Aの本当の悩み”とは
M&Aを進める売り手企業は、表では冷静を装いながらも、心の中ではさまざまな迷いを抱えています。
「提示された価格は本当に妥当なのか…?」
「仲介会社は本当に中立なのだろうか…?」
「このスキームだと税金が想定より多くなるのでは…?」
特に多いのが“比較する材料がなく判断できない”という悩みです。
価格や条件は一見もっともらしく提示されますが、実際には売り手に不利な条項が含まれていることも珍しくありません。
この判断の難しさこそ、セカンドオピニオンが必要とされる理由です。
セカンドオピニオンで改善できる3つのポイント
M&Aのセカンドオピニオンは、単なる「チェック」ではありません。
売り手にとって最適な形に“作り直す”プロセスです。特に改善しやすいのは次の3つです。
1.価格(バリュエーション)
・営業利益の調整
・将来価値の評価
・過剰なディスカウントの排除
→これだけで数千万円〜数億円改善する例もあります。
2.条件(表明保証・アーンアウト・競業避止など)
→買い手に有利すぎる条項を削り、売り手のリスクを最小化。
アーンアウト(Earn-Out)とは、M&Aの売買価格の一部を「将来の業績」に連動させて支払う仕組みのことです。
売却時に全額を受け取るのではなく、一定期間(1〜3年程度)が経過した後、業績目標を達成した分だけ追加で受け取る方式です。
実質 後払いの形式として使われることも多いです。
3.スキーム(株式譲渡/事業譲渡/合併など)
→売却後の税額や手取りが大きく変わります。
同じ価格でも手取りが20〜30%変わるケースも珍しくありません。
これらは専門家の目線が入ることで、大きく改善できます。
価格・条件・スキームをどこまで変えられるのか
「いまさら変えられないのでは?」という相談も多いですが、実は 交渉の大半は“調整可能” です。
特に効果が大きいのは以下の3点です。
- 価格の上積み交渉
買い手は必ず“余白”を持って提示してきます。
第三者が財務・事業価値を見直すだけで、再提案される例は割とあります。 - 表明保証の削減
売り手にリスクが大きい条項を見直し、将来の請求リスクを減らします。 - 税務メリットの最大化
スキームを変更するだけで、
「同じ売却価格でも手取りが数千万変わる」ケースもあります。
セカンドオピニオンは、「交渉の武器を手に入れる」行為と言えます。
オーナー経営者ならば、
M&Aはスピードが求められますが、だからこそ、不利な条件を見逃して進んでしまうリスクが高まります。
ですので“第三者目線で現状の全取引条件をチェックしてもらう”ことです。
これは交渉相手を変えるわけではありません。
自社の価値を守り、手取りを最大化し、将来リスクを避けるための“保険”のようなものです。
オーナー経営者は孤独になりがちですが、M&Aだけは一人で判断すべきではありません。
セカンドオピニオンを入れることは、後悔しない売却のための最重要ステップです。
まとめ
- 売り手の悩みの本質は「比較材料がなく判断できない」こと。
- セカンドオピニオンは、価格・条件・スキームを“有利に作り直す”ための強力な武器。
- 価格の見直しだけで数千万円〜数億円変わることもある。
- 不利な表明保証や税務面のリスクを大幅に軽減できる。
- オーナー経営者はまず、現状の条件を第三者にチェックしてもらうべき。


