多角化ロードマップ90日設計

多角化が進まない理由は「良い案がない」ではなく、検証→小さく開始→拡大判断の順番と基準が決まっていないからです。

結論は、90日で“当てにいく計画”を作るのではなく、損失を限定しながら勝ち筋だけを残す実行プロセスを回すこと。ここでは中小企業でも回る、90日ロードマップを具体的に示します。

 

なぜ多角化は止まるのか:悩みは「忙しさ」と「判断の怖さ」

現場は既存事業で手一杯、社長は意思決定の材料が足りない。結果、「検討中」が半年続きます。怖いのは失敗そのものではなく、撤退できない赤字と、既存事業を削ることです。だから最初に必要なのはアイデアではなく、判断基準(KPI・期限・撤退ライン)です。

 

0〜15日:検証設計(顧客と数字を先に固める)

最初の15日は作り込み禁止です。やるべきは3点だけ。第一に、顧客ターゲットを一つに絞り、未充足ニーズ(困りごと)を10件ヒアリングして言語化します。第二に、提供価値を一文で定義します(「誰の何をどう減らすか」)。第三に、数字の枠を決める。月次赤字上限・粗利率の下限・投資上限を先に置くことで、挑戦が“管理可能な実験”になります。

 

16〜45日:小さく開始(MVPで売上を作り、学習する)

「MVP:Minimum Viable Product」とは、最小限の機能を持つ初期バージョンのプロダクトのこと。

次の30日は、完璧な商品より最初の受注を優先します。メニューを絞り、価格と納期を明確にして、テスト販売をします。重要なのは、受注の有無だけで判断しないこと。成約理由/失注理由/導入後の不満を記録し、提案文・見積りの出し方・対象業種を毎週修正します。ここで営業が属人化すると再現しないので、初期から提案テンプレとヒアリング項目を作り、誰でも同じ品質で売れる形に寄せます。

 

46〜75日:改善と仕組み化(売れる型を固める)

このフェーズは「商品改良」ではなく「売れる条件の特定」です。どの顧客が最も早く決まり、どの課題に反応し、いくらなら勝てるのか。数字で絞り込みます。目安は、リード→商談→受注の転換率と、案件あたりの粗利。一定の手応えが出たら、業務フロー・納品手順・品質基準を文書化し、兼務でも回るようにします。多角化はアイデアより運用設計で勝敗が決まります。

 

76〜90日:拡大判断(GO/STOP/方向転換を決め切る)

最後の15日は「頑張る」ではなく「決める」です。判断は3択しかありません。①条件が揃ったので拡大、②赤字が見えるので停止、③顧客と提案を変えて再検証。ここで効くのが、事前に決めた撤退ラインです。粗利率が下限未満、回収期限を超える、月次赤字上限を超えるなら迷わず止める。撤退は失敗ではなく、学習した分だけ会社の勝率が上がります。

 

まとめ:90日で「夢」から「経営の選択」に変える

  • 多角化はアイデアより判断基準(KPI・期限・撤退ライン)が大切
  • 0〜15日で顧客課題と数字の枠を固め、16〜45日で小さく売る
  • 46〜75日で売れる条件を絞り、76〜90日でGO/STOPを決める

 

経営者に期待する行動は、今日このあと30分でできます。

候補事業を1つ選び、

紙に「①狙う顧客  ②未充足ニーズ  ③月次赤字上限  ④粗利率下限  ⑤90日後のGO/STOP基準」を書き、

担当者と期限を入れてください。

多角化は勢いではなく、90日で結論を出す経営技術です。

 

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